星の花が降るころに①

                    
次の日、1月12日。
                  
「寝た気がしない…ふわぁ」

6時に起きたのなんて高校生以来、約3年ぶりだ。

私は成人式用のシンプルなカバンに財布とスマホ、リップクリームと使い捨てカイロを詰め込んだ。

荷物をベッドに置いて、シャツと黒いダウンジャケット、裏起毛のズボンに着替えて姿見で自分の格好を確認して家を出た。

スマホで時間とバスの運行情報を確認しながら、コンビニの近くにあるバス停に向かう。

「さっむ…」

私はバスがやってくるまで、コンビニの店内で時間をつぶすことにした。

ガラスの自動ドアに近づくと、音もなく静かにドアが開いて暖房で暖められた空気がぶわっと私を包んだ。

「生き返る…」

そうつぶやいた私はあてもなくコンビニの店内を散策する。

「おいしそう…」

レジの横に置かれたおでんと肉まんに視線が吸い寄せられてしまう。何しろ6時に起きてばたばたして朝ご飯を食べていないから当たり前だろう。

意味もなく唇をかんだりなめたりした(のち)、私はレジに向かった。

「ふんわり肉まん1つください」

「168円ですね。からしはお付けしますか?」

「おねがいします。」

私はコード決済で肉まんの代金を支払い、ほかほかの肉まんを受け取った。

からしの黄色い小袋を破って中身をちょっとずつ絞り出して、切れ端をコンビニのごみ箱に捨てる。

肉まんにかぶりつくと、ほんのり甘い生地と肉の味、からしの味が口の中に広がった。

この何とも言えない独特な味わいが癖になって、冬には1回はこれを食べないと気が済まない。

最後の一口分のからしを絞った時、バス停にバスが止まった。

「やば!」

急いで肉まんを口に放り込んで、私はバスに乗り込んだ。