星の花が降るころに①

                        
――ちょうどそこで目が覚めた。
                          
頬に手を当てて軽くすべらせると、ごわごわした嫌な感触を指に感じた。
                               
どうやらメイクしたまま寝落ちしてしまったらしい。しかも椅子に座ったままという姿勢のせいで体のあちこちが痛い。

はぁっとため息をついて、洗面台に向かう。  

メイク落としをなじませ、水でじゃぶじゃぶ洗い流してふと顔を上げると三面鏡に自分の顔が映った。


あれから8年、私は大学3年生になった。

結局あの後夏実とは仲直りしないまま中学校を卒業して、高校に進学すると戸部君も同じ高校だった。しかも高校3年間同じクラス。

でも彼とは何も関わりがなく、私も新しい友達ができて夏実や戸部君のことをそんなに思い出さなくなっていた。

高校を卒業して、大学に入学したら夏実とも戸部君とも離れてしまった。

でもまた大学で新しい友達ができて、大学3年生になった今の私はゼミやら就活の準備に忙殺されている。


私の脳内にリフレインした、夏実のいない8年間。

顔をタオルで拭いてスマホを立ち上げる。

1月11日、日曜日。明日は成人式だ。

今日は大学の授業もないことだし、のんびりしよう。

私は1つあくびをして食パントースターに食パンを入れて、冬の眠たげな朝日をじっと見つめた。