星の花が降るころに①


「お母さん、お父さんとどういう経緯で出会ったの?」

反抗期真っ只中である中学2年生の愛娘(まなむすめ)夏凜(かりん)がいつの間にか洗い物をしている私の後ろに立って、珍しく私にそう質問してきた。

「えー?今日友達と恋バナしてて、友達が親の馴れ初めを自慢げに説明してたから、うちはどうなのかなぁ、と思って」

夏凜は制服姿なので、おそらく学校から帰ってきたばかりだろう。

「そんなの知ってどうするの?」

「さあね。まあ、ネットにばらまいたりはしないからさ。だからお願い」

上目遣いで懇願(こんがん)され、私は仕方なく夫との馴れ初めをかいつまんで話した。


「…ってわけ。」

「きゃーっ、青春!私も恋したい!!」

水を得た魚のごとく、夏凜が見境なく私の背中をバシバシと叩いてくるので、「痛い痛い」と苦笑して泡だらけの手を夏凜の顔につけるふりをした。

「うわあ、お母さんいじわる!」

こんなふうに娘と笑い合ったのはいつぶりだろう。満面の笑みを浮かべる夏凜の顔を見ていると、私の頭には1つ小さないたずらが思い浮かんだ。