銀木犀(ぎんもくせい)の花は甘い香りで、白く小さな星の形をしている。 そして雪が降るように音もなく落ちてくる。 去年の秋、夏実(なつみ)と二人で木の真下に立ち、花が散るのを長いこと見上げていた。 気が付くと、地面が白い星型でいっぱいになっていた。 これじゃふめない、これじゃもう動けない、と夏実は幹に体を寄せ、二人で木に閉じ込められた、そう言って笑った。