ブルゾンを脱いでカットソー姿になった吉見さんにソファを勧めておいて、私はキッチンに立つ。
今日のテーマは、ずばり家のご飯。ほっとする味で、栄養をたっぷり摂れるようにする狙いだ。
常備菜のかぼちゃの煮物を、レンジであたためる。そのあいだに豆腐に片栗粉をつけて揚げ、小鍋で作っておいた出汁ベースのきのこ餡をかける。
お味噌汁には、わかめとなめこ。その隣のコンロで、あたためたフライパンで豚肉の生姜焼きを仕上げる。
それらを皿に盛りつけ、最後に冷蔵庫からこれも私が作り置いている白菜の浅漬けを出し、ご飯をよそって完成。
吉見さんが料理を運ぶのを手伝ってくれる。キャベツ用のドレッシングと箸も吉見さんにお願いして運んでもらった。
ローテーブルには、たちまち所狭しと皿が並んだ。
「すごいな、これ。よくこれだけたくさん作れるな」
吉見さんが感心した顔で料理を眺め、手を合わせる。
私はその斜向かいでドキドキしながら、吉見さんが箸をつけるのを見守った。
「……うま」
「よかったー! 口に合わなかったら困るから、男のひとが好きそうな定番メニューにしてみたんだけど。それでもめちゃめちゃ緊張したよ」
「うまい。マジで。それしか言えないけど、うまい」
吉見さんが目を見開く。一緒に外食したときでも、ここまでの反応は見られなかったと思う。外でのご飯のときは、私だけが歓声を上げていたっけ。
それだけ、私の作ったものを美味しいと思ってくれているのが伝わってくる。
じわじわと、胸の奥からなんとも言えない甘い気持ちがこみ上がる。きゅうっと胸が鳴る。
吉見さんは次々にお皿を空にしていく。
見事な食べっぷりだ。私もほっとして自分の分に手をつける。
「母が食べることが好きなひとで、私もたくさん作ってもらって育ったから。私も料理は好きなんだ。それに弟もよく食べるから、作る機会も多くて」
今日のテーマは、ずばり家のご飯。ほっとする味で、栄養をたっぷり摂れるようにする狙いだ。
常備菜のかぼちゃの煮物を、レンジであたためる。そのあいだに豆腐に片栗粉をつけて揚げ、小鍋で作っておいた出汁ベースのきのこ餡をかける。
お味噌汁には、わかめとなめこ。その隣のコンロで、あたためたフライパンで豚肉の生姜焼きを仕上げる。
それらを皿に盛りつけ、最後に冷蔵庫からこれも私が作り置いている白菜の浅漬けを出し、ご飯をよそって完成。
吉見さんが料理を運ぶのを手伝ってくれる。キャベツ用のドレッシングと箸も吉見さんにお願いして運んでもらった。
ローテーブルには、たちまち所狭しと皿が並んだ。
「すごいな、これ。よくこれだけたくさん作れるな」
吉見さんが感心した顔で料理を眺め、手を合わせる。
私はその斜向かいでドキドキしながら、吉見さんが箸をつけるのを見守った。
「……うま」
「よかったー! 口に合わなかったら困るから、男のひとが好きそうな定番メニューにしてみたんだけど。それでもめちゃめちゃ緊張したよ」
「うまい。マジで。それしか言えないけど、うまい」
吉見さんが目を見開く。一緒に外食したときでも、ここまでの反応は見られなかったと思う。外でのご飯のときは、私だけが歓声を上げていたっけ。
それだけ、私の作ったものを美味しいと思ってくれているのが伝わってくる。
じわじわと、胸の奥からなんとも言えない甘い気持ちがこみ上がる。きゅうっと胸が鳴る。
吉見さんは次々にお皿を空にしていく。
見事な食べっぷりだ。私もほっとして自分の分に手をつける。
「母が食べることが好きなひとで、私もたくさん作ってもらって育ったから。私も料理は好きなんだ。それに弟もよく食べるから、作る機会も多くて」



