今日の私のお弁当のテーマは、八月も終わりなので「夏祭り」。
たこ焼きに見立てたミートボールにはマヨネーズと鰹節を散らし、ウィンナーは切りこみを入れて花火のように開いている。その中心には黄色いコーンの粒。食紅やクチナシで染めたうずら卵は昨日の夜に仕込んだもの。ピックを刺してヨーヨー風に仕立てている。焼きトウモロコシも外せない。
ご飯エリアは例によって目いっぱい詰めてある。今日はそばメシ。上には金魚の形にくり抜いた人参も飾っている。
お弁当を作るのは好きだ。
外食だと量を誤魔化せない分、最初から少なめに頼む
しかない。
けれど、お弁当なら見た目は可憐、中身は高カロリーなんてことができる。
それでも、やっぱり物足りなさが解消できないのも事実。
今日もあとでこっそり夜食ならぬ夕方食を買いにいかないと、保たないだろうな。
ミーティングルームで、花梨ちゃんとランチにするのは久しぶりだ。
私は自分のお弁当と花梨ちゃんのベーグルを見比べ、あいまいに微笑む。
花梨ちゃんといると自分が「かわいい女子」の範疇から外れているのが浮き彫りになるようで、いつもかすかな息苦しさを感じてしまう。
花梨ちゃんは悪くないのに。
それにしても、花梨ちゃんはベーグルだけでどうやって午後の仕事を乗りきるんだろう。
吉見さんもカロリーバーとゼリー飲料が常食のようだけれど、どうしてあれで体が動かせるのかという疑問は消えない。
「――吉見さんって、意外といいひとですね」
「へ、吉見さん!?」
ちょうど吉見さんのことが頭に浮かんだところだったので、声が裏返ってしまった。
取りつくろうようにウィンナーを頬張る。
花梨ちゃんが口をすぼめ、ストローでライムジュースをすすりながら上目遣いに私を見た。
なんて殺傷能力の高い上目遣いなんだろう。女だけれど、うっかりときめいてしまいそうになった。
たこ焼きに見立てたミートボールにはマヨネーズと鰹節を散らし、ウィンナーは切りこみを入れて花火のように開いている。その中心には黄色いコーンの粒。食紅やクチナシで染めたうずら卵は昨日の夜に仕込んだもの。ピックを刺してヨーヨー風に仕立てている。焼きトウモロコシも外せない。
ご飯エリアは例によって目いっぱい詰めてある。今日はそばメシ。上には金魚の形にくり抜いた人参も飾っている。
お弁当を作るのは好きだ。
外食だと量を誤魔化せない分、最初から少なめに頼む
しかない。
けれど、お弁当なら見た目は可憐、中身は高カロリーなんてことができる。
それでも、やっぱり物足りなさが解消できないのも事実。
今日もあとでこっそり夜食ならぬ夕方食を買いにいかないと、保たないだろうな。
ミーティングルームで、花梨ちゃんとランチにするのは久しぶりだ。
私は自分のお弁当と花梨ちゃんのベーグルを見比べ、あいまいに微笑む。
花梨ちゃんといると自分が「かわいい女子」の範疇から外れているのが浮き彫りになるようで、いつもかすかな息苦しさを感じてしまう。
花梨ちゃんは悪くないのに。
それにしても、花梨ちゃんはベーグルだけでどうやって午後の仕事を乗りきるんだろう。
吉見さんもカロリーバーとゼリー飲料が常食のようだけれど、どうしてあれで体が動かせるのかという疑問は消えない。
「――吉見さんって、意外といいひとですね」
「へ、吉見さん!?」
ちょうど吉見さんのことが頭に浮かんだところだったので、声が裏返ってしまった。
取りつくろうようにウィンナーを頬張る。
花梨ちゃんが口をすぼめ、ストローでライムジュースをすすりながら上目遣いに私を見た。
なんて殺傷能力の高い上目遣いなんだろう。女だけれど、うっかりときめいてしまいそうになった。



