「伊賀上晴和です、はじめまして」
「咲倉莉佳子です。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて、改めて彼の顔をじっくりと見る。
(うわ、かっこいいな)
無造作に流した前髪から覗かせる瞳が綺麗で、釘付けになる。目を細めて柔らかく口角が上がると、たったそれたけで空気が華やぐような気がした。
「実は肇先生には小学生の頃からお世話になっているんですが、なかなか先生のご家族に会える機会は無くて」
「あ、はい。ご存知だと思いますが、父が転勤族なもので、こっちに戻ってきたのは高校になってからなんです」
私の産まれはこの近くで、小学生になる前までは近所に住んで父が単身赴任をしていたが……闘病中だった祖母が亡くなり、祖父一人での生活が立て直せたところで、私達は父の所で暮らすようになった。
その後何回か引っ越しをしたが、偶然高校に入学する年に父が関東圏の勤務になり、再び東京に戻ってきたのだ。
今住んでいるところはここから少し離れているが、この近くの予備校に通うようになってから、頻繁に行き帰りの途中に顔を見せるようになっていた。
だから昔からの祖父の友人は知っているが、最近の友人関係はそこまで把握していない。
「実は彼、猫が好きでね。せっかくだし見においでって誘ってみたんだ」
「ああ、そうなんだ……」
その時私はピンときた。
『多分猫の里親候補だ』と。
でも彼は苦笑いしながらこう言った。
「でも母が猫アレルギーで飼えないんだ」と。
じゃあその線はないかと、一人でちょっぴり安心していた。
「咲倉莉佳子です。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて、改めて彼の顔をじっくりと見る。
(うわ、かっこいいな)
無造作に流した前髪から覗かせる瞳が綺麗で、釘付けになる。目を細めて柔らかく口角が上がると、たったそれたけで空気が華やぐような気がした。
「実は肇先生には小学生の頃からお世話になっているんですが、なかなか先生のご家族に会える機会は無くて」
「あ、はい。ご存知だと思いますが、父が転勤族なもので、こっちに戻ってきたのは高校になってからなんです」
私の産まれはこの近くで、小学生になる前までは近所に住んで父が単身赴任をしていたが……闘病中だった祖母が亡くなり、祖父一人での生活が立て直せたところで、私達は父の所で暮らすようになった。
その後何回か引っ越しをしたが、偶然高校に入学する年に父が関東圏の勤務になり、再び東京に戻ってきたのだ。
今住んでいるところはここから少し離れているが、この近くの予備校に通うようになってから、頻繁に行き帰りの途中に顔を見せるようになっていた。
だから昔からの祖父の友人は知っているが、最近の友人関係はそこまで把握していない。
「実は彼、猫が好きでね。せっかくだし見においでって誘ってみたんだ」
「ああ、そうなんだ……」
その時私はピンときた。
『多分猫の里親候補だ』と。
でも彼は苦笑いしながらこう言った。
「でも母が猫アレルギーで飼えないんだ」と。
じゃあその線はないかと、一人でちょっぴり安心していた。



