再会は小さなぬくもりと一緒に

ほんの少しだけタオルを上げると、リリーは、すぐに子猫を舐め始めていた。
初めてなのに、迷いがないのが本能なのか。確かに小さな命が、リリーによって産まれたのだ。


「……すごい」
気付いたら、涙が溢れていた。

「小さいのに……まだ子供なのに……」

その瞬間、またリリーが鳴く。お腹にはもう一匹いるはず。
そしてすぐに二度目の波はやってきた。

私達はさらにぎゅっと強く、手を握りあっていた。
ハラハラしながら、刺激しないように、静かに見守った。

そしてまた小さく唸り声を上げると、二匹目が生まれてきた。小さく泣くベビーを、リリーはまた丁寧に舐め始める。

二つの小さな体が、リリーのお腹に寄り添って動いた。


「……生きてる」
当たり前のことだが、胸がいっぱいになる。

「良かった……本当に良かった」

晴和さんの声が、震えていた。

「こんなところ……」
彼は俯き、手で目元を押さえる。

「こんな瞬間を見れるなんて……何て幸せなんだろう」

その言葉に、胸の奥が、静かに熱くなる。
気がつけば私は、考えるより先に身体が動いていた。 

初めてだ。
初めて私から──彼を抱きしめた。

握った手をほどいて、肩に手を回して抱き寄せた。
晴和さんは一瞬驚いた顔をしているようだったが、それから、そっと抱き返してきた。

誕生した白いベビーと茶色のベビーはもう、リリーのおっぱいにしがみついて飲んでいる。

それを彼は愛おしそうに見ている。

「……大丈夫だよ」

耳元で、彼が囁く。

「きっと何もかも、大丈夫だよ」



その瞬間、私ははっきりと思ったのだ。
この人となら。
完璧じゃなくても、順番を間違えても。気持ちに迷っても。
それでも──一緒に生きていきたい。
一緒に全てを分け合いながら生きていきたいと、そう強く思った瞬間だった。