再会は小さなぬくもりと一緒に

祖父にそう聞かれて、私は言葉を探した。
「……正直、分からないんだよね」

それは紛れもない本音。
彼のことは好きだと思う。それは昔からずっと心の中に眠っていた気持ちだ。

でも「結婚」という言葉が、まだ実感を伴わない。

その瞬間、晴和さんの表情が目に見えて曇った。
祖父はそんな空気を察したのか、はぁと大きく息を吐いた。


「とりあえず、デートでもしてこい」
「……え?」
「話はそれからじゃ」

そう言って、私たちを追い出すように手を振った。


追い出された私達は、仕方なく駅の方に歩いていった。

「……で、どこ行く?」
晴和さんが聞いてくる。

「デートって言われても、急すぎるよね」
「確かに」

苦笑し合うけれど、笑い方がどこかぎこちない。



結局、駅前の小さな商業施設に入った。いつも行っている特別な場所じゃない。
でも今日は、ガラス張りの通路から見える夜空がやけに綺麗だった。

まだ屋上が解放されてる時間だったので、とりあえず座れるところということで向かった。

夜の屋上庭園は光が眩しいぐらいで、夜空をピカピカと明るいライトが彩っていた。
私達は手前にある空いているベンチに腰を下ろした。
しばらく沈黙が流れる。

「莉佳子」
沈黙を破ったのは、晴和さんだった。

「昔、さ……」
彼は視線を前に向けたまま、続ける。