それから彼に再会したのは、大学卒業を控えた頃。
祖父の家で、不意打ちの再会だった。
「久しぶり」
晴和さんはいつものように笑っているようで、私を見上げるその表情は、少し困っているように見えた。
「俺さ、四月から東京勤務になったんだ」
「そうなんですね」
「札幌の事業が拡大して、本社から何人か来てさ。俺は厄介払いってわけ」
淡々と話す私達の足元で、ハルが欠伸をする。
猫にとっては長い年月だったのだろう。すっかり彼のことを忘れているみたいだけど、彼に対するふてぶてしさだけは変わらないようだ。
「なんだか、淋しいね」
半年ほど前に、先住猫のこゆきが虹の橋を渡った。
それから何となくハルは寂しそうで、家の中も少し物足りない感じになってしまった。
でも彼の淋しいは、私たちの距離のことを言っているようにも聞こえた。
しばらく祖父を交えて会話した。
淡々と普通の“旧友との再会”といった感じで、和やかさも感じられるほどの空気だった。
でも帰りはいつもと違い一緒に帰らず、私は玄関先まで見送るだけになった。
「就職先、デベロッパーなんだね」
「あ、はいそうです」
「僕も都市開発の方に移動になるんだ。だから……一緒に仕事できたらいいね」
「……そうですね」
そう答えながら、心の中では思っていた。
(そんな日は、きっと来ない)
「頑張ろうね、お互い」
その言葉を最後に、私たちは別れた。
──だけどもう、会うことはないだろう。
そう思っていたのに。
まさかまた、人生が交錯することになるとは思ってもみなかった。
祖父の家で、不意打ちの再会だった。
「久しぶり」
晴和さんはいつものように笑っているようで、私を見上げるその表情は、少し困っているように見えた。
「俺さ、四月から東京勤務になったんだ」
「そうなんですね」
「札幌の事業が拡大して、本社から何人か来てさ。俺は厄介払いってわけ」
淡々と話す私達の足元で、ハルが欠伸をする。
猫にとっては長い年月だったのだろう。すっかり彼のことを忘れているみたいだけど、彼に対するふてぶてしさだけは変わらないようだ。
「なんだか、淋しいね」
半年ほど前に、先住猫のこゆきが虹の橋を渡った。
それから何となくハルは寂しそうで、家の中も少し物足りない感じになってしまった。
でも彼の淋しいは、私たちの距離のことを言っているようにも聞こえた。
しばらく祖父を交えて会話した。
淡々と普通の“旧友との再会”といった感じで、和やかさも感じられるほどの空気だった。
でも帰りはいつもと違い一緒に帰らず、私は玄関先まで見送るだけになった。
「就職先、デベロッパーなんだね」
「あ、はいそうです」
「僕も都市開発の方に移動になるんだ。だから……一緒に仕事できたらいいね」
「……そうですね」
そう答えながら、心の中では思っていた。
(そんな日は、きっと来ない)
「頑張ろうね、お互い」
その言葉を最後に、私たちは別れた。
──だけどもう、会うことはないだろう。
そう思っていたのに。
まさかまた、人生が交錯することになるとは思ってもみなかった。



