***
──それは、ずっと胸の奥に沈めていた記憶だった。
忘れようとしていた記憶だ。
大学生になって、徐々に“恋人らしく”なっていった私達だったが、距離が近づくにつれて少しずつ違和感を覚えるようになった。
例えば、だけど。二人でチェーンのファミレスに行くと『初めて来た』と言ったり、ドリンクバーのシステムを知らないだとか。デートの途中に100均に寄るとあまり来ないらしく、売場を新鮮に眺めていたとか。
そんなすごく些細なこと。まぁ田舎育ちだったり、過保護な家庭で育ったらあり得るか程度ではあった。
でもドライブデートでは「家の車を借りた」と言って、さらりと高級車で迎えに来たので、やっぱり金持ちのお宅なのだなと。
それに彼は三年生以降も就職活動をしている様子がない。「知り合いの会社でアルバイトみたいなことをしている」そう言ってので、やっぱりかと。彼は“縁故入社”というカードがあるぐらい影響力がある人なのか、なんて少し壁を感じていた。
でも、その時は深く考えないようにしていた。
好きだったから、だ。
でも徐々に、私は自分の身の程を知り……それに伴い“身分差”という壁に気持ちが冷めて行く。
──それは、ずっと胸の奥に沈めていた記憶だった。
忘れようとしていた記憶だ。
大学生になって、徐々に“恋人らしく”なっていった私達だったが、距離が近づくにつれて少しずつ違和感を覚えるようになった。
例えば、だけど。二人でチェーンのファミレスに行くと『初めて来た』と言ったり、ドリンクバーのシステムを知らないだとか。デートの途中に100均に寄るとあまり来ないらしく、売場を新鮮に眺めていたとか。
そんなすごく些細なこと。まぁ田舎育ちだったり、過保護な家庭で育ったらあり得るか程度ではあった。
でもドライブデートでは「家の車を借りた」と言って、さらりと高級車で迎えに来たので、やっぱり金持ちのお宅なのだなと。
それに彼は三年生以降も就職活動をしている様子がない。「知り合いの会社でアルバイトみたいなことをしている」そう言ってので、やっぱりかと。彼は“縁故入社”というカードがあるぐらい影響力がある人なのか、なんて少し壁を感じていた。
でも、その時は深く考えないようにしていた。
好きだったから、だ。
でも徐々に、私は自分の身の程を知り……それに伴い“身分差”という壁に気持ちが冷めて行く。



