再会は小さなぬくもりと一緒に

ふと気付くと、もう夜明け前になっていた。
はっと気づきサークルに目を向けると、思わず息を呑んだ。

(か、かわいい……!)
サークルのすぐ外で、リリーとハルが寄り添って眠っている。そもそもハルは跳躍力が無いのでサークルに入れない。だからリリーが自ら出て行ったのだろう。


「……よかった」
胸の奥が、じんわり温かくなる。

私はゆっくり揺すって晴和さんを起こす。寝ぼけ眼の彼だったが、その光景を見た瞬間一気に目を見開いた。

「かわいいね」

小声で耳打ちすると、カメラを二匹に向けた。
恐ろしいぐらいの連写に、少し苦笑いしてしまった。

「撮り過ぎですよ」
「だって可愛いじゃん」

笑顔で答える彼だったが……ふと通知に気付いたらしく、表情が固まる。

「あっ、山下さんからだ」
操作をストップすると、眉間に皺を寄せて、さっきとは180度違う顔になった。

「『さっそく来週食事会をしましょう、咲倉さんも是非』って」
「食事会?」
「うん、若い人を呼びたいって……山下さんと、営業部の若い人達と」

 そこで、一瞬、言葉が途切れた。

「……前の社長の娘さんも来るって」

彼の言い方に、空気がひやりと冷える。

「若い人を多く呼びたいって、さ」


彼の声が随分と遠くに聞こえる。
忘れていたはずなのに、過去の輪郭が徐々に鮮明になっていく。私は遠い日のこと──まだまだ私も世間知らずだった時のことを思い出していた。