再会は小さなぬくもりと一緒に

「悪いね、黒江さんは若い子達にどうしても口出ししたくて仕方ないんだ。前のプロジェクトでも散々掻き回してくれたんだよ」

「前にもですか?」

そう言えば黒江さんの土地は、彼側の会社が以前黒江さんと関わりがあったからこそ買収に成功したと言っていた。

「そう、俺も大分やられたな。まだ新人から抜けきれてない風に見えたからターゲットにされたらしかったけど……まぁ返り討ちにしてやったこともあるし、黒江さん耐性は大分つけさせられたよ」

「晴和さんも……そんなことがあったんですね」

彼はまぁねと呟くと私から缶を取り、プシュッと開けて返す。

「一本飲んだら行こっか。それまで側に居させてよ」

そう言うと、彼はわずかに私へ視線を落とした。
目を細める姿は、仕事では見せない甘い表情で心の奥がぎゅっとなる。


「今日はやっぱり一緒に外食しよっか。家の近くの前に一緒に行ったイタリアン、また行こうよ」

「えっ、今日は遅いんじゃ?」

「大丈夫だよ。何とかなる見込みになったし……それに莉佳子が頑張ったし、何かご褒美あげないとね」

恋人じゃないのに、それ以上みたいな台詞を平然と落としてくる。

「今日くらい、甘やかしてもいいじゃん」


その言葉ひとつで、胸がとろけるみたいに熱くなった。

──彼との恋は過去のこと。
そう言い聞かせながらも止まらない自分がいることに、気付いてしまった。