再会は小さなぬくもりと一緒に

過去にこゆきとハルの時も似たようなことをやっていたはずなので、彼も覚えているはずだ。
まずは先住猫に『この匂いは敵じゃない』ということを教えなければいけないのだ。それが同居に向けての第一歩。


「あ、晴和さん。帰ってきたら、あの子の餌の残り量を測ってくださいね。夜と明日の量を調整したいので」

「了解。でも俺、今日ちょっと遅くなるかも」

「じゃあ私がやっておきます」

「夕飯は俺が作れると思うから、買い物して帰ってくるね。風呂も俺がやるよ」

そんなふうに当たり前みたいに言うから、少し面食らう。


「……なんか、一緒に暮らしてる感じが、ようやく出てきたね」

そう微笑む晴和さんに、私はどんな顔を返せばいいのか分からなかった。
私もまさに、同じことを思っていたからだ。

 

「じゃ、先に出ますね!」

だから逃げるように鞄を掴んで、駆け出すようにして家を出た。胸の奥が熱くて、落ち着かない。
一緒に住むということを軽く考えすぎていた。そんな自己嫌悪にも陥っていた。