再会は小さなぬくもりと一緒に

「リュミエールって会社わかる?」

「あ、はい。下着メーカーですよね?うちとも取引ありますし結構有名な……」

「そこの本社が、響貨川再開発のオフィスビルに本社を移転してくる案が浮上しててさ。だからじっくり話したいから一緒に行ってもらおうと思って」

「何で私なんですか?」

「新人ではなくそこそこ中堅の女の子を連れていきたいんだよね。社長は若い女の子が好きなんだよ。むさ苦しいのは嫌だって、いつも俺の人選に文句言う」

……いや、実際のリュミエールの社長は、ハキハキした “男前のミドルエイジ女性” ではあるが。
まあ確かに今のチーム中で、女性で中堅所で気軽に動けるのは私ぐらいだろう。


食べ終わると、とりあえずハルに餌を出す。それに気を取られている間に、私は二階へ上がった。
あの子猫は私の姿を見るなり小さく鳴き、掌にすり寄ってくる。


(あ、いい感じになってきたな)
たった数日なのに痩けて弱々しい感じは減って、瞳も少し明るくなったように見える。栄養はちゃんと足りているみたいだ。
私は皿を測りに乗せてフードを計る。晴和さんが買ってきてくれた子猫用のカリカリを、少し多めに八十グラム。
そして毛布を新しいものに替えてから階下に戻ると、ハルが不機嫌そうにこっちを睨んでいた。
それを誤魔化すように頭を撫でると、ハルにその毛布を差し出した。


「何してるの?」
「ハルに、新入りの匂いを覚えてもらってるんです。まずは『敵じゃない』って教えてあげないと」
「あ、なるほどね」