***
朝目を覚ますと、台所から何やらいい匂いがしてきた。
そっと顔を出すと、晴和さんがエプロン姿でキッチンの前に立っていた。
しまった、すっぴんだ……と逃げようとした所で運悪く彼が振り向く。
「おはよう、莉佳子。朝は担当するね」
振り返りざまに見せる柔らかな笑みに、胸の奥がくすぐったくなる。
対照的に、足元ではハルが尻尾をブンブン振りながら、明らかに彼を睨んでいた。
お行儀良く座っているが“早くごはん出せ” と “お前は嫌い” の二つの感情が滲み出てるようで、思わずぷっと吹き出してしまった。
軽く身支度をすると、二人で朝食をつつく。
目玉焼きとトーストというシンプルな朝食だが、いつも菓子パンをかじる程度の私にとってはしっかりした朝食だ。
「……あの、それでなんですけど」
食べながら話そうとしたら、彼が箸を止めてこちらを見るので、少し緊張する。
「来週、あの子を病院に連れて行こうと思うんですが……」
「ああ、そうだね。いつにする?」
「金曜日にしようと思います。で、土曜日は二匹の様子を見ながら今後について考える、という形がいいかと」
「うん、そうしよう」
そう言うと、彼はまた食べる手を動かし始めた。
「じゃあその日は、二人とも直帰にしようか」
「えっ?あ、はい……?」
どういう意味だ?と思った矢先、彼が唐突に仕事のことを話し始めた。
朝目を覚ますと、台所から何やらいい匂いがしてきた。
そっと顔を出すと、晴和さんがエプロン姿でキッチンの前に立っていた。
しまった、すっぴんだ……と逃げようとした所で運悪く彼が振り向く。
「おはよう、莉佳子。朝は担当するね」
振り返りざまに見せる柔らかな笑みに、胸の奥がくすぐったくなる。
対照的に、足元ではハルが尻尾をブンブン振りながら、明らかに彼を睨んでいた。
お行儀良く座っているが“早くごはん出せ” と “お前は嫌い” の二つの感情が滲み出てるようで、思わずぷっと吹き出してしまった。
軽く身支度をすると、二人で朝食をつつく。
目玉焼きとトーストというシンプルな朝食だが、いつも菓子パンをかじる程度の私にとってはしっかりした朝食だ。
「……あの、それでなんですけど」
食べながら話そうとしたら、彼が箸を止めてこちらを見るので、少し緊張する。
「来週、あの子を病院に連れて行こうと思うんですが……」
「ああ、そうだね。いつにする?」
「金曜日にしようと思います。で、土曜日は二匹の様子を見ながら今後について考える、という形がいいかと」
「うん、そうしよう」
そう言うと、彼はまた食べる手を動かし始めた。
「じゃあその日は、二人とも直帰にしようか」
「えっ?あ、はい……?」
どういう意味だ?と思った矢先、彼が唐突に仕事のことを話し始めた。



