再会は小さなぬくもりと一緒に

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あのファーストキスから半年以上が経っても、私達の関係はそんなに変わらなかった。
そもそも当時の私は受験生。高校生と大学生という壁もあったし、どうにかなる訳ではなかったのだけれど。

短文での連絡や写真のやりとりは続けていたが、会う頻度は最初の方は一ヶ月に数回、徐々に間隔は空いていき、一ヶ月に一回会うか会わないかという感じがずっと続いていた。

間隔が空いていったというのも、困ったことが起こったのだ。

「晴か……いや、おまえじゃない」

晴和さんの名前を呼ぶと、なぜだかチビがやってくる。
私と晴和さんの間に立って、絶対に彼に被る位置に来て会話の邪魔をする。そしてそれを見たこゆきが怒ったように『シャー』と唸っている。

とまぁこんな感じで、一緒に居ることは許されなかったので、敢えて時間を合わせて……ということはしなかったのだ。


その様子を祖父は笑いながら「『取られる』って思っとるんじゃろうなぁ」と。

「一応莉佳子は拾ってくれた恩人じゃから、何か特別に感じておるんだろう」
「それでも引っ掻かないのは『美味しいおやつを運んでくれる人』だからでしょうね」


現に視線は晴和さんの持っている袋──おやつが入った袋 に向いている。

「もうチビだった影はどこに行ったんだろうね」
晴和さんがそう言ったので、思わず私達も吹き出していた。