再会は小さなぬくもりと一緒に

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(とりあえず、チビは今日も元気です)

ハルを拾ってから一ヶ月ほど。
当時は今から想像がつかないほど小さかったので、私達はハルを“チビ”やら“チビスケ”と呼んでいた。

私は予備校前に祖父の所に寄り、観察日記を彼に送ることが日課になっていた。

『今日もかわいいね。ちょっと大きくなったかな?』
『もうエサ食べすぎてお腹パンパンですよ笑』

仰向けに、大きなお腹を出して寝る写真を送ると、彼から大爆笑の絵文字が送られてくるので、私も同じ絵文字で返した。

『今日は土曜日だけど予備校?帰りは何時なの?』
『今日は20時までです!苦手な物理なんで頑張ります...』
『俺も物理嫌いだったよ!気を付けてね』

私は彼の返事にニマニマしながら、ありがとうの顔文字を送ると、ルンルン気分で予備校に向かった。
彼とは頻繁にやり取りをしていたが全く会えず……そもそも大学がまだ夏休みらしいので、来ていないのだろう。

そしてここ一ヶ月、彼とは頻繁にハル、もといチビの写真を送るやり取りをしていた。
そしてちょこちょこ雑談もするようになり、少し親しくなった気がしていた。
晴和さんかっこいいし、かっこいい人とこんな親しくやり取りができてラッキーと、そんな気分だった。


そしてこの日は、予備校が終わるとまた祖父の家に向かった。祖父の帰宅が遅れるとのことで、エサ係を頼まれたのだ。


「あれ?晴和さん?」
なぜか祖父の家の前には、晴和さんが立っていた。

「ごめん抜き打ちで来ちゃったんだけど……先生留守なの?」
「あ、はい。ちょっと遠出してて、帰りが遅れるそうです」
「困ったな……」

彼の肩には異国のデザインの紙袋が下がっている。きっと旅行か何かのおみやげなのだろう。


「じゃあ上がってください。私おじいちゃん帰ってくるまでいるんで」
「いいの?」
「はい、大きくなったチビを見ていってください」

そう言うと彼の顔が華やいだように明るくなった。
鍵を開けて家に入ると、真っ先に向かってきたのは、先住猫のこゆきだ。

「こゆき〜今日は私がごはんあげるからね〜」

私がこゆきに声をかけると、こゆきはそのまま振り向いていってしまう。

でも皿にカリカリを盛っていたら、こゆきがあのチビを連れて現れた。『ほらここに座りなさい』と言わんばかりに、定位置につくと座ってチビの方を見る。チビもぴったりとひっついて座った。