その名前を見た瞬間、心臓が一拍跳ねた。
──『イノーシング株式会社 伊賀上晴和」
新プロジェクトの会議が始まろうとしているが、資料に印字されたその文字を見て、指先がわずかに震える。
──まさか、ここで再会するなんて。
名前と年齢の一致から、あの彼で間違いはないだろう。
正直彼の会社であるイノーシング株式会社と共同プロジェクトが進んでいた時から、いつか関わることになるのではないかとは思っていた。
名前ぐらいは目にするのかも知れない。そう思っていたけれど、どうやら彼は私が参加するプロジェクトのマネージャーとして、ここにやってくるらしい。
つまり直属の上司になるということ。
会議室のドアが開く音がする。
柔らかな足音と共に、数人の男性が入ってきた。
「本日はお時間いただきありがとうございます。」
目を上げた瞬間、彼の顔が目に入る。
あの頃よりも大人びた表情の中に、変わらない微笑んだ時の口角、わずかに首を傾ける癖を見つけて目頭が熱くなる。
私達は一瞬目が合うが、すぐに気づいていないふりをした。
「クリエイト・リングの皆様。イノーシング株式会社よりやってまいりました、伊賀上晴和と申します。このたび『響貨川再開発プロジェクト』のプロジェクトマネージャーに就任いたしました。どうぞよろしくお願いします」
静かに拍手が響き渡る。その中でまた彼と目が合ったような気がしたが、平静を装う。
──『イノーシング株式会社 伊賀上晴和」
新プロジェクトの会議が始まろうとしているが、資料に印字されたその文字を見て、指先がわずかに震える。
──まさか、ここで再会するなんて。
名前と年齢の一致から、あの彼で間違いはないだろう。
正直彼の会社であるイノーシング株式会社と共同プロジェクトが進んでいた時から、いつか関わることになるのではないかとは思っていた。
名前ぐらいは目にするのかも知れない。そう思っていたけれど、どうやら彼は私が参加するプロジェクトのマネージャーとして、ここにやってくるらしい。
つまり直属の上司になるということ。
会議室のドアが開く音がする。
柔らかな足音と共に、数人の男性が入ってきた。
「本日はお時間いただきありがとうございます。」
目を上げた瞬間、彼の顔が目に入る。
あの頃よりも大人びた表情の中に、変わらない微笑んだ時の口角、わずかに首を傾ける癖を見つけて目頭が熱くなる。
私達は一瞬目が合うが、すぐに気づいていないふりをした。
「クリエイト・リングの皆様。イノーシング株式会社よりやってまいりました、伊賀上晴和と申します。このたび『響貨川再開発プロジェクト』のプロジェクトマネージャーに就任いたしました。どうぞよろしくお願いします」
静かに拍手が響き渡る。その中でまた彼と目が合ったような気がしたが、平静を装う。



