〇授業中
紗雪(...蒼空にこのペン使ってって渡されたけど...今のところ、特に何も起こらない)
紗雪がフーっとため息をつくと、眉間を辺りをつらそうにグリグリと押す。
紗雪(今日は疲れが出やすいなあ...頭が痛くなってきた...)
軽く頭痛がしている様子を見せると、握っていたペンがチカチカと光り出して反応する。
『脳疲労を確認。ブドウ糖とオメガ酸脂肪酸を注入いたします』
紗雪「へ?なに...っっ!?」
ペン先がシャー芯から注射針のようなものに変わり、紗雪のペンを持っていない方の手に刺さり、謎の液体がちゅううと紗雪の体内に入っていく。
紗雪の手の甲にシャーペンが刺さってる状態がクラスメイトに発見される。
クラス女子「せんせえー!!増村さんの手にシャーペン刺さってるー!!」
蒼空「うんうん...俺の栄養素自動供給ペンは役立っているな!」
騒然となる教室の中で、蒼空はスマホアプリに注入完了の通知が届いて満足げな顔をしている。
蒼空の第1話のセリフおさらい回想
「君が、より医者を目指すのに最適かつ最善な環境・肉体を得られるようになるため!そのために俺は毎日試作品作りに明け暮れた!その成果を今、試す時だ!」
紗雪モノローグ【蒼空が宣言してからというもの、わたしは毎日のように蒼空の発明品のえじきになっていた。】
〇モノローグと共に、蒼空の発明品で紗雪が苦労させられていた描写のダイジェスト
⚫︎アルコール消毒器に手が冷えてかさついてるので保温と保湿をしてくださいと言われてイラっとする紗雪
⚫︎特製アイマスクを取ろうとしているが貼り付いて取れない。
蒼空「今日の眼を使っていい時間は過ぎたからな」と、にこやかに言う
⚫︎紗雪専用勉強スペースとしてテントのようなものを教室の後ろに用意(蒼空が入れと促すが紗雪は当然拒否)
⚫︎㊙俺と紗雪が医者になる為に作るべき100の試作品★という本を見つけてドン引きする紗雪
〇栄養素自動供給ペン事件の放課後
蒼空「たしかに必要なこととは言え、紗雪の玉の肌を傷をつけてしまった事は、謝罪してもし足りない...。」
紗雪「それだけ!?謝るのはそれだけ!?」
紗雪の手の甲には絆創膏が貼られている。
蒼空は大真面目に悔やしげな顔で紗雪の手の甲を撫でている。
蒼空「だが、これだけじゃないんだ。俺が春休み中にもっとも心血そそいで作製したものがある。それがこの、~夢はきっと訪れる~未来予測搭載小型AIのドリカモンくんだ!」
片手に乗るサイズの人型ロボットを自身ありげに取り出す
紗雪「ドリ...なんて?」
蒼空「ほかの作品は、何かが起こったことに対してアクションを起こすものだったが、これは違う。このAIを持っている人間本人の身体だけでなく半径3m以内の状況を把握するんだ!ケガや病気につながるあらゆるリスク値を事前に知らせてくれるので、突然のハプニングへの心臓の負担も軽減できるというわけだ!」
ドリカモン「増村紗雪が呆れてため息をつく確率、84%」
紗雪「はあああ...」呆れのため息
蒼空「うむ、経過良好だ!さあ紗雪、俺と一緒に外出してドリカモンくんの性能をとくと味わおう」
紗雪「悪いけど、今日はみっちゃんと寄り道するから」
蒼空「ーーなに!?俺に内緒で?寄り道って何をするんだ?どこに行って何をするんだ?」
急に鋭く冷たい目つきで問い詰めてくる
ドリカモン「高瀬蒼空が増村紗雪の寄り道に付いてくる確率は 99%」
紗雪「ーーーつ、ついてこないで!!!」
教室から鞄を持ってダッシュして逃げる
◯オシャレでかわいい外装のカフェ店前
美月がカフェの方を指差す
美月「あれあれー!話題のタピオカミルクティー!はやく並ぼ~」
蒼空「おい、そんなあわてるな。紗雪が転んだらどうする」トゲトゲしい厳しい口調
紗雪(結局ついてきてるし...美月も簡単にOKしちゃってさあ...)
むぅっと顔を膨らませる紗雪。それとは他所にニコニコな美月と真面目な表情の蒼空が3人でお店に並んでる
店員「お待たせしました、どうぞ~」
紗雪「わあ...」
店員にドリンクを手渡され、目をキラキラさせる
美月「紗雪は初タピだっけ?」
紗雪「うん、寄り道して買い食いなんてしないもん...楽しみ...!いただき...」
蒼空「ストーーーーップ!!」
紗雪がストローに口をつける寸前で大声を出して制止
蒼空「このタピオカ1粒の大きさ。紗雪の喉の直径とほぼ同じ!このままだと窒息・誤嚥の可能性を否定できない」
ドリカモン「増村紗雪がタピオカを丸呑みした場合の窒息・誤嚥率 59%!」
蒼空のカバンから顔だけ出ているドリカモンくん
紗雪「丸呑みなんてしないから!噛むわよ!」
蒼空「借りるぞ、紗雪」
紗雪の手から素早くドリンクを奪う
紗雪「ちょ...」
蒼空がポケットから小型のミキサーのようなものを取り出す
蒼空「こんなこともあるんではないかと、持ってきていてよかった。嚥下補助・固形物クラッシュ小型ミキサーの出番だ」
紗雪「ちょ、やめ...!!」
制止する紗雪にかまわず、蒼空はミキサーを紗雪のドリンクに突っ込んでスイッチオン。
キュイイイイイインという音がして周囲に紗雪のドリンクが激しく飛び散る。
美月の制服にも付いてしまったのを確認して、紗雪は駆け寄る
紗雪「...みっちゃん、服が...!ごめん...!」
美月「あはは...洗えば落ちるよ、これくらい...」
蒼空「ふう、これくらいタピオカを砕けば窒息もしないだろう。ドリンクは少し減ってしまったが。さあ、安全に堪能してくれ、紗雪!」
紗雪「ーーいい加減にして!ふざけた事ばっかりして!」怒りで手が震えて、声を張り上げる
蒼空「なっ!?俺はふざけてなんてない!いたって真面目だ!」
美月「まあまあ、2人とも...」
蒼空「そ、そもそも美月くんが俺に内緒で紗雪をタピオカなんかに誘うから、俺は心配してだな!」
紗雪「...はあ?」
ドリカモン「有本美月さんが今後も紗雪さんを未知の場所へと誘い、危険に晒す確率は67% 安全面を考慮するなら絶交が望ましいです」
蒼空「ほら!ドリカモンくんもそう言ってーーー」
紗雪「勝手なことをベラベラと...」
先ほどよりも大きな怒りのオーラを放ちながら、静かな口調でブチギレる。
その雰囲気に蒼空はビクッと怯える
紗雪「勝手についてきて、私たちの楽しみを邪魔して、タピオカも台無しにして...あげく、みっちゃんと絶交しろですって?ふざけないでよ、蒼空に友情まで制限される筋合いなんてないから!」
蒼空「紗雪...!おれは、紗雪のために」
紗雪「そんなに絶交してほしいなら、蒼空と絶交するから!2度と話しかけないで!」
蒼空「...!!」
ショックを受け、目を大きく見開く。
紗雪は美月の手を取って蒼空から離れていく。
蒼空は後を追う事もせず、呆然と立ちつくす。
紗雪(もう知らない!私たちの友情を侮辱したことと、初タピオカを味わえなかった恨み...せいぜい思い知ればいいのよ...蒼空となんて、2度と話すもんか!)
