王子は完璧少女に甘すぎる

ただ、私の中心には羅翔だけがいた。

「羅翔5周目だよ、莉緒」

紫音に小さく声かけられ、はっとした。

そ、そうだった・・・・・。

私はスタートラインに立った。

「走れ」

羅翔の落ち着いた、でも芯のある声を合図に私は走り出した。

左手に金属の堅い感触があり、それをしっかり握った。

そして、私が5周目に入ったとき。

「B組が追い上げてきた・・・・・」

誰かのあっけからん声が聞こえるとタスキを付けたB組の男の子が走って来た。

えっ・・・・嘘・・・・。

半周したところで、B組の男の子が私の10歩後ろを走っていた。

私は負けると思ったら血の気が引いてきた。

どう、しよ、う・・・・・。