私は自分で髪の毛を持って、長さを指定した。鋏で切り落とされた髪の房はとんでもない重さだった。解放されたと同時にこの恋が終わることを知った。好きだった気持ちより今の軽さが嬉しいことに気付いて殊更泣いた。


 木戸君からメールで気に障ったならごめん、と連絡が来た。
 私はそのメールを見て、返信は返さなかった。
 きっと、面倒くさくて可愛げのない女だと思っただろう。
 でも私はそれでいいのだ。