winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

待ち合わせに少し早く着いた私は、冬の寒さが増した一月の夜空の中拓を待った…



少しして時間ぴったりくらいに着いた拓は、やっぱり車で現れる



「乗って」と言われて、私は躊躇しながらも車に乗った…



一月の街並みはXmasや年末年始が終わっても、電飾のイルミネーションでキラキラ光っている…



「それで、忘れ物って何?」



私は真髄に迫って訊ねる



今日誘いに乗ったのはこの前忘れて行ったという忘れ物を受け取る為だ…



拓は少し黙った後…



「そう急がないでよ。それより愛奈を連れて行きたい所があるんだ」



そう言って私を半ば強引に車で連れ出した



「拓、私忘れ物を取りに来ただけだよ…」



言い訳がましくポツリと言った言葉が何とも弱々しい…



「まあそう警戒しないでよ」



拓にそう言われても私は胸がざわついて複雑な気持ちにしかなれない…



結局そこから車は一時間移動し、私は無数の電飾の光るイルミネーションスポットに連れて行かれた…