winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「そっか…なら普通にこの先も友達として付き合おうよ?」



拓はまたびっくりする事を言う…



「友達って…私と拓が?」



そう。友達



友達ならたまに会って話すくらい普通にするでしょ?



拓は悪びれもなく言葉を発する…



拓と私が友達…?



普通に友達になんてなれるの?



戸惑っている私にじゃあ…と拓が話を続ける



「愛奈はそんな事を言っても困るだろうから、僕の事はたまにご飯を食べに行く相手だと思えばいいよ」



それならそんなに後ろめたく思うこともないでしょ?


 
「僕は愛奈の結婚を邪魔するつもりもないし、愛奈を奪いたい訳でもない。ただたまにご飯を食べに行くだけの相手」


それでどう?



拓にそう言われ、まあ…それなら…



私ははっきり断れなかった…



優柔不断で推しに弱い自分が嫌になる…



じゃあ決定ね



拓の決断力は昔から早い



私はたまにご飯を食べに行くだけの相手ってどうなんだろう?とそれはそれで複雑な気持ちになった



でも、私達は5年前に終わったんだよね



まあお互いにもうそんな気持ちもないはずだしと拓の提案を承諾する事にした…



そんな私は、この先迷宮にハマってしまう…