winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

拓に車で送ってもらった私は携帯電話に手を掛ける



気付くと携帯に着信が何件も入っていた



『愛奈今どこにいるの?』



心配そうに携帯にメッセージが入っている



『心配かけてごめんなさい』
   


私は急いでメッセージを送った



🎵ブーブーブー🎵
   


携帯の着信が鳴る
   


山下さんからだ   



私は拓の方を見た



出たら。と促す拓にうん。と言って私は山下さんからの電話に出た



何で拓に遠慮してるんだろう?



「もしもし…」     



愛奈今どこにいるの?



「えっと…昨日遅くまで友達と飲んでて、友達の家に泊っちゃって、今送って貰ってるの」



心配かけてごめんなさい



私は友達と嘘をついた事が何とも後ろめたい感じがしたけど、他に言い訳も思いつかず、咄嗟に嘘をついた 



嘘をついてしまった事を申し訳なく感じる…



そっか。連絡つかないから心配したよ
 


愛奈に何もなくて良かった



そう言って山下さんは心配したように電話を切った…



電話を切ってハーと溜息をついた私に拓が話しかける



「僕と愛奈って友達だったんだ」



鋭く言われた言葉にドキッとしてしまう…



「拓と私は5年前に別れたんだから、今はもう友達だよ」



私は拓の顔を見られなくて、下を向いて答えた…