winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

食事会場に着くと、愛奈は来たこともないような食事場所に驚いている…



無理もない…



5年前の僕はこんな場所には到底連れて来られなかったのだ…



拓は変わったね



愛奈は僕が変わった事に戸惑っているようだ



もう昔の僕には戻れない…



愛奈といた頃の僕は優しい頼り甲斐のない男だった…



愛奈…君の為に僕は強くなったんだ…



全ては君の為 



愛奈は今彼氏いるの?



その問い掛けに、婚約者がいて、来年の春に結婚すると返事が返って来た



結婚おめでとう    



そう言ったけど、僕の心はショックでいっぱいだった…



僕は飲むつもりもなかったお酒を飲んでショックな気持ちを紛らわせた



「今日は飲もう」



そう言った僕に愛奈は何も考えてはいなそうにお酒をグビグビと飲む…



愛奈は沢山お酒を飲んで少しふらついている



僕はタクシーで愛奈を送って行く事にした…



愛奈は疲れているのか車の中で寝てしまう…



愛奈…愛奈…



僕が呼んでも愛奈は起きない



愛奈の自宅を知らない僕は、仕方なく愛奈を自分の家に連れて行く事にした…