winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

アメリカの留学から帰った僕は、父の会社に入り、主任として働くようになった



ある日、取引先との商談に向かった僕は、自分の心を完全に殺さなきゃいけない出来事に遭遇する…



ある工場が経営難に陥っており、もう葉山の傘下から外れてもらうよう打診に行った



頼むから見捨てないでくれと壇上の思いで懇願する葉山傘下の工場に、僕は迷った



父に相談すると、心を鬼して切ることも必要だと言われた



僕はもう葉山の傘下には入れないことを再度工場の人達に伝えた…



その結果…



銀行も融資を止め、その工場は潰れた



工場の親父さんはそれから間もなくして首を吊り、借金を抱えて死んだ…



僕はショックでトイレで何回も吐いた

 

そんな僕に父は言った…



拓人、それが上に立つと言うことだ



僕はそれから、心を殺して冷酷非道な人間になった…



愛奈…



今の僕を君が見たら何と言うだろう?



拓らしくないときっと驚く事だろう…



僕はもう君に会えない…



でも…



こんなに変わってしまった僕でも、僕は君に会いたい…