winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

クリスマス会が終わり、私は片付けに取り掛かった


片付けが終わって窓から外を見ると、さっきより激しく雪が降っている



雪だ…



私は雪を見ようと中庭に出た



雪はハラハラと降り、まるでカーテンのように降り積もって幻想的だ



昔を思い出すな…



拓と初めて会った時も雪が降ってた…



私は暫し感傷に浸る



寒い…中に入ろう…



私は中に入ろうとした…



すると…



「愛奈…」



聞き覚えのあるラブリーボイスが私の名前を呼ぶ



まさかと思い後ろを振り返るとそこには拓が立っている



「拓…」



その名前を呼ぶのも切なくて、私は息も出来なくなった



「愛奈久しぶりだね」



あの頃と違ったビシッとしたスーツ姿に、髪の毛もちゃんと整っていて、見た目も少し歳をとっていたけど、私の名前を呼ぶその声は、間違いなく昔のままの拓だった…



「うん。久しぶり」



私は笑って返した…



雪はハラハラと降り積もる



幻想的に降り積もる雪の中、私達はまた再会してしまった…