winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「愛奈ちゃんと山下くんの婚約を祝して、カンパーイ」



多田さんと浅田くんが私達の婚約をお祝いしてくれる



私と山下さんと多田さんと浅田くんの四人は、てっちゃん飲み屋に集まって、私達の婚約祝いと名のつく飲み会を開いてくれた



「二人の婚約のお祝いまでてっちゃん飲み屋なんてねー」



もっと気の利いた店なかったの?



香織さんが店主の鉄也さんの方を向いて、嫌味じみた声で言った…



「うちで婚約パーティーの何がいけないんだよ。愛奈ちゃんはもう10年以上通ってるうちの常連さんなんだから、婚約の祝いだってここでいいだろう」



何ならここで結婚式挙げたっていいんだぞ?



鉄也さんが自信満々に言ってく



「ここで結婚式なんて挙げるわけないでしょ?」



香織さんがまた悪態をついて言うから、二人のやりとりに私は笑ってしまった…



「て言うか愛奈さん。山下さんじゃなくて俺でも良くないですかー?」



俺また彼女に振られたんですよー



どうやら最近彼女に振られたらしい浅田くんが嘆きながら冗談を言う