winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

それから5年の年月が経ち、私はやっと拓の事を過去の思い出にできるようになった…



時の流れは不思議だ…



どんな絶望や辛さからも、時の流れと過ぎゆく時間が解決し、救ってくれる…



拓と別れて4年が経過した頃、私は意を決して山下さんをデートに誘った…



元々職場で毎日会い、ちょこちょこ飲みに行く仲だった山下さんを改めてデートに誘うのは、ある意味緊張したが、「僕で良ければ喜んで」と笑ってデートを快諾してくれた



私達はデートを重ね、私は山下さんの家に通うようになり、付き合って一年



遂にプロポーズされて、私達はこの度婚約した…



来年の春頃には、式場で結婚式をする事が決まっている…



拓といた時みたいに激しい熱愛や、毎日の胸のドキドキはないけれど、山下さんといる私は、いつも温かい穏やかな幸せに包まれて、心穏やかな日々を送っていた…



私は今、幸せだ…