winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

年が明けて、新しい年を迎えた…



両親と弟と近所の神社に初詣に来た私は、お賽銭を投げ入れて神様にお願いする…



神様私達の死んじゃった赤ちゃんは、天国でちゃんと幸せに暮らしていますか?



どうか私達の赤ちゃんが、安らかに天国で暮らせませように…



初詣でお願いする事じゃないかな…



私はそう願った自分が滑稽に思えて笑ってしまった…



御神籤を引くと、今年の運勢は大吉だった…




災い→在ったがスッキリ晴れる


恋愛→思いがけず出会いあり



あまり気にせずに流して見るようにした私は、引いた御神籤を木の枝に結んだ…



初詣から帰ろうとすると、階段のところで意外な人物とすれ違った…



「えっ⁈愛奈…」



すれ違いざまにそう私に声を掛けたのは、私が六年間付き合った元彼、浩大だった…



「浩大だ⁈久しぶり」



いつもこんな感じの明るいノリだった私達は、直ぐに昔を思い出して意気投合する



「愛奈久しぶりじゃん?元気だった?」



浩大は昔のノリそのままに私に話しかけた



「ん〜?元気は…あんまりないかも…?」



私は頑張っても元気だとは言えない胸の内を正直に伝えてしまった…



「なになに?どうしたの?」

  

浩大はさっきまでの明るいノリから一転、心配そうに聞いてくる