winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

すると病室の扉がガラッと開いた 



「愛奈⁈」



病室に入ってきたのは、拓から連絡を受けた私の両親だった…



「お父さん、お母さん…」



「愛奈子供を流産したってどう言う事?あなたいつの間に…」



お父さんとお母さんは真っ青になって心配している




「すみません。僕が…」



拓がお父さん達に頭を下げて謝っている



「お前か、愛奈をこんな目に合わせたのは」



お父さんが憤って拓に掴み掛かっている



「お父さん止めて…拓のせいじゃないよ」



お父さんは私の言葉で拓に掴みかかるのを止めた



「何で娘がこんな目に遭わなきゃいけないだ。お前のせいで娘はもう二度と子供ができないかもしれないんだぞ」



えっ⁈



もう私には子供ができない…?



お母さんが泣いている



「本当にすみません。全部僕のせいです…」



拓が泣いて謝っている…



「もう二度と娘に近づくな」



お父さんの声が病室中に響く…



あーそうか…



これは罰なんだ…



私が無理して赤ちゃんを大事にしなかったから、神様が怒って私に罰を与えたんだ…



その晩は珍しく雪が降ってスノークリスマスだった



私と拓が初めて会った時も雪が降っていたな…



拓…泣かないで…



拓のせいじゃないよ…



私が赤ちゃんを大事にしなかったせいだよ…



その日一晩中雪は降り続けていた…



ごめんね赤ちゃん…



ちゃんと産んであげられなくてごめんね…



この日私達は2人の大切な赤ちゃんを失った…