winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

家に帰ると、「おかえり」と言って拓が出迎える…



「愛奈大丈夫?どこか悪かった?」



拓が心配そうに私に訊ねた



「拓、話があるんだけど…?」  



私は恐る恐る拓に話しをする



どうしたの?



拓はまた心配そうに私に訊ねる



「これに、サインして欲しいの?」



私はさっき産婦人科で貰った人口中絶手術の同意書の紙を拓に差し出した



これって…?



拓は驚いている



「今日産婦人科に行ってきたの…そしたら8週目だって…でも産めないから、堕ろすのに同意して欲しいの…」



私は怖くて怖くて堪らない気持ちを必死に押し殺して搾り出すような声で言った…