winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

外に出た私は辺りを見回す



でも、辺りを探しても拓は見つからない



どこに行ったんだろう?



私は途方に暮れた…



ふと、拓と出会った公園を思い出した



拓が歌っていた場所だ



あそこにいるかもしれない…



私は公園に向かった…



すると…



🎵雪が降る夜は〜🎵



公園に近付いたと同時に聞き慣れたラブリーボイスが耳に入ってくる…



拓だ⁈



「拓…ここにいたんだ…」



私は拓に近付いた



「愛奈…結局行くところがなくて、またここに来ちゃった」



拓は捨てられた子犬のような目で悲しそうに言った…



「家に帰ろう…」



そう言って私は拓を抱きしめた



「ごめん愛奈…愛奈は僕みたいな男に関わらない方がいい…僕は愛奈が好きなんだ…」



僕達は恋愛感情なしっていう契約でしょ? 



これじゃ契約違反だ



拓は申し訳なさそうに下を向いてる…



「拓、また歌って…拓の歌がないと私眠れない…」



その言葉が何を意味するのか?



私は口にして自分で理解できていない訳じゃなかった…



「僕の歌は愛奈の子守唄だね」



拓が笑って言う…



うん。だからずっと一緒にいて…



どこにも行かないで…



そう言って私は泣きながら笑った…