winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

拓は自分で小さい会社を起業して代表取締役として働いている…



3年前に拓と一緒にいた女性は拓が起業の相談をしていた経営コンサルタントの人で、真由美さんは拓のご実家でずっと働いていた家政婦さんの名前だという事を後談で聞いた…



確認もせずに勝手に拓に女の人がいると思い込んでいた私は拓を疑っていた事が恥ずかしくなった…



拓は会社を起業した傍ら、ミュージシャンとしても活動しており、今も自分で歌を作って歌っている…



大学時代に学んだ知識を生かして、友達数人と音楽配信サイトのアプリを管理する会社立ち上げ、自分自身の作った自作の曲を配信しながら、音楽活動にも勤しんでいる…



元々頭のいい拓だからなせる偉業だと私は尊敬の眼差しを向けている



会社の運営は大変だが、自分のペースで緩く働けるからと、拓は相変わらず家事をこなしてくれる



相変わらずズボラな私は家事があまり満足にこなせず、拓が家事を殆どこなしてくれているという状況だ…



本当に面目ない…



香織さんは今もまだ青蘭壮で働き、主任としてまだ現場一筋で頑張っている…



音ができてからはあまり会えていないが、数年前にてっちゃん飲み屋で再会した時には…



「あー私も辞めて他行きたい。だってずっと働いてるのに給料あんまり上がらないんだもん」



そう言って愚痴をこぼして嘆いていた…



「香織さんがいなきゃ青蘭壮はやっていけませんよ」



香織さんあっての青蘭壮です



私が香織さんの肩を叩いて慰めると…



「愛奈ちゃんと山下くんがいた頃に戻りたいわー」



そう言ってまた愚痴を言って嘆いていた…