winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

拓はやっぱり屈託のない顔で笑う

  

私はやっぱり癒されるなと思った



それから私達は、路上ライブの後二人で話すようになった



「コーヒー?コンポタ?」

 

私は自動販売機で買った温かい飲み物を二種類拓に差し出した




「コンポタ」



お子様だねー。私は笑ってコンポタージュを拓に渡した
    


拓は「だってコンポタ美味しいもん」と言って笑っている



「愛奈はお一人様?」       



ぷっ⁈不意に聞かれ、私はコーヒーを吹き出しそうになった



「まあ、そう…。恋愛に疲れて、今は1人でいいやって1人を満喫してるの」



私は吹き出してしまった口元のコーヒーを拭き取りながら、焦ったように答えた
   


何で私が焦ってるんだろう…



私は少し恥ずかしくなった…




「そっか。だから僕の歌を聴きにきても平気なんだ」



別に彼氏がいても歌なら聴きに来られるんじゃない?



「それはないよ。彼氏がいる人はこんな時間まで1人で歌聞いてたりしないもん」



それを言われると痛い



まあそうだね…



そう言って私はまた一口缶コーヒーを口にする