winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

でも…



私のシャツに手をかけようとして、拓は手を止めた…



「ごめん愛奈…僕はもう愛奈を傷つけたくないんだ…だから、僕はもうこれ以上は愛奈に触れられない…」



拓は悲しそうな瞳でそう言った…



ずっと私を傷付けてしまったと自分を責めて後悔していたのだ…



私は5年以上前の事で心を痛めている拓が愛おしくなった…



「拓…私は大丈夫…拓に触れられても、私は傷つかない…私は拓に触れて欲しい…私が拓を抱いてあげる」   



そう言うと私は拓を抱きしめた…



「愛奈…愛してる…」



「拓…私も愛してるよ…」



昔のようにもう切なくはならない…



私達はこれからもずっと一緒にいる…



もうすぐ夏の訪れを感じる6月…



私達は結ばれた…



拓…



愛してるよ…



私達は愛を確かめ合った…