winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「そっか…それなら僕はこれからも愛奈の為にとびきり美味しいご飯を作るよ」



拓は私が喜ぶセリフを満面の笑みで言ってくれた…



うん。有難う



私は満面の笑みで返して拓に抱きついた…



「愛奈…僕と一緒にすまない」



拓が真面目な顔で私の目を見て言った…



予想していた言葉だったけど実際にちゃんと言われると嬉しい…



「うん…私も拓とずっと一緒にいたい…もう離れたくない…」



私はドキドキしたけど正直な胸の内を打ち明けた…



「愛奈に見せたいものがあるんだ」



拓はそう言うとチェストの引き出しの中から、一枚の紙を取り出す…



これって…?



その用紙に私は驚いた…



「婚姻届…」



私は想いが溢れて思わず言葉に出していた…



それは5年以上前に私達が出すはずだった婚姻届った…



まだ持ってたの?



私は泣きそうになった…