winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「元彼とは?元彼とはよりを戻さないの?」



香織さんが聞きにくそうな顔で私に訊ねた…



「拓とは、もう会わないと言ってから、一度も会ってません…進さんと別れて、直ぐに拓のところに行こうとは思えなくて…今拓の所に行ってしまったら、一生自分を許せないと思うんです…だから、拓とは会いません」



それに…



私は自分の気持ちを紡ぐように話を続けた…



「拓には、またどこかで会える気がするんです…」



今まで引き裂かれても、離れても、また再会できた…



だから、拓とはまたどこかで会える気がします…



そう笑って言う私に香織さんは…



「そっか…そうね、運命の2人ならまた会える」



そう言って私の肩を叩いた…



こうして私は12年間働いた施設…



青蘭壮を辞めた…