winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

まだ入職したばかりの頃を思い出していた…



「今日から青蘭壮でお世話になる鈴野愛奈です。宜しくお願いします」 



まだ緊張した面持ちで挨拶する…



分からないことなら山下くんに聞いてくれ
 


介護リーダーの主任さんに言われて、私は山下さんに挨拶に行く



「山下さん今日から宜しくお願いします」



私は山下さんに深々と頭を下げた…



「はい。よろしくお願いします」



なぜか山下さんまで緊張していて私達はぎこちない…



「何か山下くんも新人みたいだな」



そう言って介護リーダーの主任さんが笑った…



懐かしい、12年前の記憶だった…



結婚式をあと1週間前に控えたこの日…



私は私を深く深く愛してくれた婚約者と別れた…