winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

拓の歌声が聞こえる…



私を困らせたくないと貴方は言いましたね…



拓の歌声以上に、私の心を惑わせて、沸き立たせ、癒すものがあるでしょうか?



貴方の子守唄がないと眠れなかった日々を思い出します



貴方と別れてからの5年間…



私は貴方という存在を忘れた事は一度もありませんでした…



忘れよう忘れようとしても結局忘れられず、足掻いて、もがいて、結局無理に忘れようとはせず、心の中にずっと留めておこうと諦めたのです…



眠れない人恋しい夜も、嫌なことがあって悔しくて眠れない夜も、貴方がくれた子守唄を聞けば眠ることができました…



貴方の声に包まれれば、貴方の声を聞くだけで、私は眠ることができました…



貴方は私の、心の支えでした…



貴方を忘れて、他の人と結婚して幸せになることなど、私にできるでしょうか?



できるわけがありません…



拓…



私は今でも貴女が好きです



私は優柔不断なズルい女です

 

どっちも選べないなんて、どっちも傷つけたくないなんて、ある意味一番相手にとって残酷な事でした…



誰も傷つけたくないのは、自分が傷つきたくないから…



それは自分が善良に見られたいだけの偽善でした



私は決めなければならなかった…



ちゃんと自分で答えを出さなきゃならなかったのです…



拓…



私は貴方が好きです



もういい子でいようと思わない



どちらも幸せにしようなんて思わない…



誰も傷つけないなんて無理だったのです…



私は進さんとは結婚できない



私は私の気持ちに正直に生きたいと思います



拓からプレゼントされたwinter songを胸に私は決意する…



ずっとずっと聴きたかった拓の歌…



私は暫くそこに座って拓の歌を聞いていた…