winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

何も言えずに目に涙を浮かべる私に拓はまた続けた…



「愛奈ごめんね…愛奈は優しいから、人の事を考えてどっちか選ぶなんてできないのに、そんな愛奈の優しさにつけ込んで、僕は愛奈を困らせてた…僕は愛奈の前に現れちゃいけなかったんだ…僕達はまた出逢うべきじゃなかった…僕がまた現れたせいで、愛奈が断れないの知ってて、また惑わせるような事してごめんね…僕はもう愛奈の前には現れない…もう愛奈にどっちか迷わせるような事はしないから」



愛奈は結婚して幸せになって…



僕は愛奈が幸せならいいんだ…



愛奈の幸せを心から願ってる…



今日はそれが言いたかった…



拓の言葉にショックを受けて涙が出た



「拓…私…」



私は涙でそれ以上言葉が出なくなった…



「愛奈はもう何も言わないでいい…愛奈は愛奈のままでいていいから」



泣いて言葉が出なくなった私を宥めるように、拓はもう何も言わなくていいと私を宥めた



結局私は、泣いて美味しいはずの高級なフレンチ料理があまり食べられなかった…



拓は送って行くよと言ったけど、私は大丈夫。折角綺麗な景色だから少し見て帰ると言って拓の送りを断った…



拓は分かったと言ってその後…



そっか…



じゃあ…



僕は行くね…



愛奈…元気で…



うん…拓も…元気で…



私達はそう言って別れた…