winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

席に座ると拓は静かに話し始める…



「急に呼び出してごめんね…愛奈に会ってどうしても渡したい物があるんだ…」



そう言ってポツリと話し始めた拓は、何だか堅いトゲトゲとしたものが取れて、丸くて柔らかい昔の拓に戻ったようだった…



「ううん。大丈夫。渡したい物って何?」



私は懐かしむ気持ちを誤魔化すように話の真髄に迫った…



「うん…愛奈にこれを渡したくて…」



そう言うと拓は私にiPodを差し出した



「拓、これは…?」



私は目の前のiPodと拓の顔を交互に見合わせた…



「僕が作った愛奈だけの歌が入ってるんだ」



拓は思いがけない事を言った…



驚いている私に拓がまた続ける…



「昔、約束したから。いつか愛奈に愛奈だけの歌を作ってあげるって…」



私は信じられない気持ちも驚きが入り混じって、涙が出そうになってしまった…