winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「愛奈…」



相変わらずの透き通ったラブリーボイスで拓が私の名前を呼ぶ…



「ずっと今まで連絡できなくてごめん…」

 

あれから何の音沙汰もなくて急に連絡しちゃってごめん…



愛奈と最後に会った日に、母親が亡くなったんだ



それでバタバタしてて連絡できなくて…



ごめん…



拓が申し訳なさそうに言葉を発した…



2ヶ月ぶりに聞いた拓の声は、私の好きな透き通る拓の声だった…



「ううん。お母さんが亡くなったから大変だったね。私、何も知らなくて、何の力にもなれなくて…私の方こそごめん…」
   


私は自分が何も知らなかった事が申し訳なくなった…



お母さんが亡くなったんだもん



拓は大変だったに違いない…



私は拓の事を自分の都合で私を惑わせる勝手な人だと思ってた事を反省した…



「愛奈あのさ…これから少しだけでいいから会えないかな?」



拓は意を決したように私を誘った…



拓の誘いに私は少しドキドキしてしまう…



「拓…私…」



1週間後には結婚するの…



私は言わなければとその言葉を口にしようとした…



その言葉を打ち消すように拓が重ねて話し出す…