winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

閑静な住宅街の中に佇む一件の小料理屋は、僕がよく取引先の人との商談に使う場所だ



僕が先に到着すると、少し遅れて隆人が到着した…



「悪いな。遅れて」



隆人は申し訳なさそうに席についた



「いや。今来たところだ」



僕達はたまには酒でも飲もうとお酒を頼む事にした…




「お前から誘うなんて珍しいな」



僕は隆人に酒を注ぐ

  

「兄さんは俺を避けてただろ」


 
別に俺は避けてない…



そう言うと隆人も僕にお酒を注いだ



「そうかもな…僕はお前に嫌われてると思ってたよ。だからあんまり関わらないようにしてた…」



僕はバツが悪そうに答えた



事実隆人は僕に全く話しかけてこない



昔から僕を下に見て蔑んで、馬鹿にしているようにしか思えなかった…