winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

私の心は複雑で、ざわつく心は全く晴れない



どうしたらいいか分からない私は、香織さんを誘った…



いつものてっちゃん飲み屋で飲む約束をした私は、香織さんに正直な気持ちを打ち明けた…

   

「私…拓にまだ気持ちがあるんです。こんな気持ちのまま本当に結婚してしまっていいのか悩んでて…私最低ですよね。山下さんみたいないい人を裏切って拓と隠れて会ってて…」



きっと天国なんて行けないです…



香織さんは明らかに顔が険しくなって怒っていたけど、呆れた顔でこう言った…



「愛奈ちゃん。確かにあんたは最低。だけど、人を好きになってしまったら、馬鹿になっちゃう気持ちも分かる。私もこれでも別れた旦那と大恋愛だったの…ヒロキが5歳の時にバイク事故で死んじゃったけどね…もうあんなに好きな人は出来ないと思ってずっと1人で頑張ってヒロキ育てて来たけど、この人だけという程好きな人に出会ってしまったら、もう他の人は目に入らなくなる気持ちは分かる」



でも愛奈ちゃんには、苦労しない人生を送ってほしかったなー



まあ自分の行きたい所に行けばいい…



自分の気持ちを押し殺さず、好きなところに行きなさい…



もし山下くんが振られたら、私が慰めてあげるから…



「香織さん有り難うございます」



香織さん大好きー



私は泣いて香織さんにお礼を言った…



あーもう泣くんじゃないの



香織さんは泣きながら飲んでいる私をなだめて、帰り道を一緒に歩いてくれた…



帰り道を歩いていると、拓を見かけた…



見た事もないような綺麗な女の人と歩いている…



あの人が真奈美さんだろうか…?



拓はその女の人と親しそうに話し、笑っている