winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

愛奈は泣き虫だね



すぐ泣く…



そう言うと拓が私の涙をそっと拭った…



私達は見つめ合う…



「愛奈…僕は…」



拓がそう言いかけた時、ふと拓の携帯電話が鳴った



🎵ブーブーブー🎵



着信音はずっと鳴り響く…



拓、出なくていいの?



私がそう声を掛けると、拓はそそくさと電話に出始めた…



はい。分かりました。今から行きます



拓はそう言うとバツが悪そうに電話を切る…



少し見えてしまったけど、携帯のディスプレイには《真奈美さん》と出ていた…



女の人の名前…



私はそんな資格もないのに心の中がざわついて少しショックを受けた…



愛奈ごめん。これから行かなきゃいけない所ができた



悪いけど送って行くよ



そう言って拓は少し焦っている…



真奈美さんて誰だろう?



私は気になったけど何となく聞けない