小さなテーブルの上で、グラスがふたつ並ぶ。
光の部屋は驚くほど整っていて、ふんわりと柔軟剤の香りがした。
その清潔さに、どこか落ち着かない。
「……おじゃまします」
ソファの端に腰を下ろすと、心臓の音がやけにうるさく感じた。
男の子の部屋に入るなんて、軽率だったかもしれない――そんな考えが一瞬頭をよぎる。
そのとき、不意に光が手を伸ばした。
思わず体がびくりと反応する。
けれど、彼の手が取ったのは、テーブルの上に置かれたトランプの箱だった。
「……やりましょう、トランプ。俺、強いんですよ」
思わず拍子抜けして、「なにそれ」と笑ってしまう。
その笑いに、さっきまで張りつめていた空気が少しだけ緩んだ。
「じゃあ、負けた方が質問ひとつ答える、とか」
「え、それ罰ゲーム?」
「もちろん」
光の笑顔がいたずらっぽくて、思わず口元を押さえる。
ババ抜き、スピード、七並べ。
カードがテーブルの上を行き交うたびに、笑い声が部屋に弾けた。
勝って悔しがる光を見て、こんな顔するんだ――と、沙良は密かに胸の奥がくすぐったくなる。
光の部屋は驚くほど整っていて、ふんわりと柔軟剤の香りがした。
その清潔さに、どこか落ち着かない。
「……おじゃまします」
ソファの端に腰を下ろすと、心臓の音がやけにうるさく感じた。
男の子の部屋に入るなんて、軽率だったかもしれない――そんな考えが一瞬頭をよぎる。
そのとき、不意に光が手を伸ばした。
思わず体がびくりと反応する。
けれど、彼の手が取ったのは、テーブルの上に置かれたトランプの箱だった。
「……やりましょう、トランプ。俺、強いんですよ」
思わず拍子抜けして、「なにそれ」と笑ってしまう。
その笑いに、さっきまで張りつめていた空気が少しだけ緩んだ。
「じゃあ、負けた方が質問ひとつ答える、とか」
「え、それ罰ゲーム?」
「もちろん」
光の笑顔がいたずらっぽくて、思わず口元を押さえる。
ババ抜き、スピード、七並べ。
カードがテーブルの上を行き交うたびに、笑い声が部屋に弾けた。
勝って悔しがる光を見て、こんな顔するんだ――と、沙良は密かに胸の奥がくすぐったくなる。


