そう思ったあたしに先生は続けて言った。



「珊瑚ってデリケートでどこでも生きれるわけじゃなぃんだょね」

あぁ…海の珊瑚の話か…!

「君も普段あんまり笑わないのはデリケートだから?」


「…え?」


「俺ね君の事ちらっと何回か見かけたことがあるんだけど一度も笑った顔見たことないんだょね」

あたしは別に楽しくないから笑わないわけじゃなぃ。
ただ感情を表に出すのが恥ずかしいのだ。



「君笑うと絶対可愛いよ」


「もっと恥ずかしがらずに笑おうよ」


胸が何かに締め付けられた。


先生はあたしの全てを見透かしてるみたい。




それ以来あたしは何度か保健室に行くようになった。


そして徐々に感情を出して笑うようになった。



何だか毎日が楽しくなって…



あたし、先生が好きなんだ。



気づいたのは高校二年の秋だった。




単純かもしれないけど
これがあたしが先生を好きになった理由。