終わらない物語を君へ

「周りはみんな勝手なことばっか言って」

 低く、淡々と。

「勝手に期待して、勝手に近づいて」

 唇を歪める。

「結局、みんな離れてく」

 一拍置いて。

「可愛いとか、俺にはどうでもいいんだよ」

 胸が、ずしんと重くなる。

 みどりが何も言えずにいると、湊は続けた。

「お前はさ」

 少しだけ、声のトーンが変わる。

「可愛くないから、いい」

「……は?」

「愛想もねぇし、笑わねぇし」

 視線を逸らしたまま、ぽつりと。

「なんか曇ってるだろ」

 そして、最後に。

「だから、いいと思った」

 その言葉は、告白でも慰めでもない。

 ただ、乱暴で、不器用な本音だった。

 胸の奥で、何かが静かに崩れる。

 ——可愛くないから、いい。

 そんな理由で、誰かに選ばれたのは、初めてだった。